耐火建造物の主要構造部の鉄骨に施される耐火被覆材は、火災時の高温から鉄骨を保護し、建築物の倒壊や延焼防止を構成する耐火構造の柱や梁には、耐火性能を付与するため、建築基準法に基づく耐火時間や耐火構造に応じた厚さの耐火被覆材を必要とします。

けいカル板耐火被覆工事

1000℃-3時間の耐火性能を有するゾノトライト系けい酸カルシウムを材とする耐火・断熱材料は成形板ですから​外観がすっきり美しく仕上がります。

  1. 耐火品質が見える
    耐火性能を保証する原料配合、比重、材厚を生産工場で徹底管理されています。施工現場では取付状況の目視確認でOK。とりわけ、成形板は施工時の被覆厚さのばらつきを気にすることはありません。
  2. 仕上がりが美しい
    成形板ですので塗装・クロスの場合そのまま仕上げ下地となり、きれいに仕上がります。工場・倉庫などでは板自身の白色素地が仕上げとなり、明るく清潔な景観となります。また、はり型の耐火被覆は箱型に施工しますので、下フランジ上部に埃がたまることはありません。
  3. 一味違う耐火特性
    現行法にとどまらない耐熱レベルである1000℃の耐熱温度を有しますので、安心の耐火品質を確保できます。
  4. コンパクトな納まり
    柱型鋼材への耐火被覆の場合、吹付けロックウールなどでは別途仕上げボードを必要としますが、けいカル板工法は仕上げボード兼用とシンプル構成であり、材厚・工法の両観点から納まりが小さく有効面積を広げます。
  5. 時代が求める耐久性
    時代は、環境保全性・経済性等の観点から高耐久建築物を求めています。JICけいカル耐火被覆板なら剥離・脱落・へたり・垂れ下がり等の心配はいりません。材料・工法共に変形追従率は高く耐震性も抜群で、建築物のライフサイクルと同等の耐久性を確保できます。
  6. 人と地球にやさしい
    アスベストやフロン、ホルムアルデヒドやVOCなどは含まれておりませんので安心してご利用いただけます。100%リサイクルできる環境にやさしい材料です。

巻き付け耐火被覆工事

断熱性の高い無機繊維をフェルト状に成形したもので不織布等の表面材を施した巻き付け耐火被覆材として、数多くの事務所ビルや物流倉庫などの耐火建築物に用いられています。

ニチアス社製 TOMBO No5520『マキベエ』

  1. 粉塵などの発生がほとんどない
  2. 軽量でかつ安定した品質
  3. 養生が不必要で、工期の短縮が図れる

半乾式ロックウール耐火被覆工事

吹付けロックウールは、ロックウール粒状綿を主原料とし、セメントを硬化材として、専用の吹付け機を用いて鉄骨などの下地に吹付けます。一定の被覆層をつくる有機物を含まない現場施工の不燃製品です。(不燃認定番号:NM-8601)耐火・断熱・吸音性に優れさまざまな用途に使用されています。

一定の被覆層をつくる有機物を含まない現場施工の不燃製品の耐火被覆工事

  1. 施工性が良い
    • ロックウール(粒状綿)とセメント(硬化剤)を原料としているので、軽量で、施工性に優れています。
    • 現場吹付施工なので、複雑な形状にも容易に適用でき、継ぎ目のない連続した耐火被覆層が形成できます。
    • 施工・乾燥がともに速く、高層階への圧送もできるので、工期の短縮となり経済的です。
  2. 耐火性に優れる
    • 鉄骨は火災時の熱に弱く350~500℃以上になると次第に軟化し、建物の荷重によって床が落ちたり、鉄骨が曲がって倒壊する恐れがあります。
    • 耐火被覆材は、火災時における人命の保護、建築物の安全確保のため鉄骨を火災時の熱から守り、極めて重要な役割・使命があります。
  3. 断熱性に優れる
    • 吹付けロックウールは、さまざまな材質、形状においても継ぎ目なく、必要厚さとかさ比重が確保でき、理想的な断熱性能を発揮します。
  4. 吸音性に優れる
    • 吹付けロックウールは、多孔質材料として、優れた吸音特性があります。
  5. 設計施工の自由度が高い
    • 吹付け厚さや施工方法により目的に対応した設計施工ができます。